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30秒で地獄に…ナルバエスが語る井上尚弥のヤバすぎるパンチ

管理人

30秒で地獄に…ナルバエスが語る井上尚弥のヤバすぎるパンチ

この記事は前回のナルバエスの記事から続いている後編になります。まだ読んでいない方はこちらをチェック↓

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「井上が大差で判定勝ちしたいと発言していますが」と問われると「それはとても難しいことだろう」と笑みで返した。

オマールは息子のジュニアとともに入場ゲートに上がった。二人にスポットライトが当たる。ジュニアがベルトを掲げて花道を先導し、ネストル、長兄のマルセロらセコンド陣が続き、揃ってリングに上がった。ナルバエス家の晴れ舞台だった。

「過去に闘った誰とも異なるパンチの質だったんだ」

 井上のジャブ、ジャブ、軽い左フックが飛んでくる。左構えのオマールはガードを上げ、右腕で弾いた。一見、何事もない、様子見の攻防だ。

 だが、オマールの心の中で衝撃が走った。

 「一発目のジャブをもらったとき、他のボクサーと違うなと感じた。『グローブをはめていないのでは』という硬さというのか、何か硬いモノで殴られたような感覚というのか。過去に闘った誰とも異なるパンチの質だったんだ」

 開始早々から井上が積極的に前へ出てくる。二十秒も経たないうちに、右ボディー、左フックが伸びてきた。続けて右ストレート、左フック。井上の手数が多い。オマールはガードを固めて、ブロッキングで対応し、負けじと左ストレートを放った。

 その直後だった。井上の右のオーバーハンドが顔面に飛んできた。オマールはしっかりと反応し、両腕を上げた。しかし、井上の右はガードの内側に入り、おでこに被弾した。一瞬ふらつき一歩下がる。

 「ブロックしようとしたら、思っていた軌道と違ったんだ。パンチが外側から来ると思ったら、角度が変わってガードの内側に入ってきた。フックの軌道がストレートに変わったような感じだった。おでこに違和感はあるけど、大きなダメージではないな、と思ったんだ」

開始からわずか三十秒の出来事
開始30秒で生涯初のダウンを喫した 写真/山口裕朗

 その瞬間、再び右のオーバーハンドが来た。

 「大丈夫、さっきと同じ右が来るな」

 同じ軌道だと想定し、両腕を少し前に出して内側に絞った。よりブロックを強固にしたつもりだった。しかし、今度の軌道は直線的でガードの上からまともに浴びた。吹き飛ばされるように背中からキャンバスに崩れ落ちた。

 プロアマ通じて二十一年、約百五十戦で生涯初めてのダウン。

 開始からわずか三十秒の出来事だった。

 「井上の二度目の右は一発目と異なっていた。それを食らって足がガクガクした。本当に異様な感覚だったんだ」

 八千人の観客は驚きのあまり、歓声ともどよめきとも判別のつかない、声にならない声を上げている。誰一人として想像できなかった。あの鉄壁のディフェンスを誇る不倒王者が開始三十秒で倒されたのだ。

 オマールはすぐに立ち上がった。

 「まだ体が温まっていないときにパンチをもらったからダウンしたんだ。回復させよう。ここから試合が始まるんだ」

 そう言い聞かせ、想定外の事態にも冷静だった。

長い長い第一ラウンド

井上の動きは一つ一つが機敏だった。すぐに猛烈なアタックがくる。オマールは必死に避けようとする。頭をかがめたところに、井上の左フックが頭頂部をかすめた。オマールの体がころりと転がった。

 「かするパンチでも一発一発、凄まじい威力を感じたんだ」

 開始一分で二度目のダウン。

 オマールは立ち上がり、「大丈夫だ」とセコンドに合図を送る。

 ネストルもそのしぐさを受け取っていた。

 「オマールは常に意識があった。ダウンをしてもコーナーとコミュニケーションを取って『あいつ強いよ、パンチ強いよ』と合図をしてくれたからね」

 試合再開。まだ一分四十五秒も残っている。井上が詰め、オマールが下げられる展開だ。フットワークとボディーワークで井上の猛攻をなんとか凌ぐ。井上の強打とオマールのディフェンス力が絡み合う。オマールは形勢を立て直し、突破口を見いだそうと、左ストレート、左のオーバーハンドを放った。王者の意地だ。だが、攻撃にいったところに右ボディーをもらい、一瞬よろけた。井上がすぐに攻めてくる。しっかりガードを固めて耐える。井上の右二連発をブロッキングで弾いた。ようやく終了のゴングが鳴った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2c55258aa50b4c8de49d5154f702d598dc6e8e01

みんなの反応はこちら

1:ボクシングファン
階級上げていきなりそのナルバレスへの挑戦はクレイジーとしか思えなかった。それがあの試合展開。バルナレス戦で井上尚弥は特別な選手になった。

2:ボクシングファン
ナルバエスのボクシングに対するリスペクトや、生きることそのものに対する誠実さに心が動かされました。
息子がボクサーとして成長し井上選手と対戦することになったら映画みたいですね。

3:ボクシングファン
ナルバエスの息子さんかなりのイケメンでしたがボクシングされているようなので、どんな選手になるのか楽しみ

4:ボクシングファン
パワーだけじゃなく角度とかタイミングも上手くて当て感も凄いんだよな

5:ボクシングファン
あの時の衝撃をいまだに継続してるんだから凄い。
どこまで突っ走るのか、最後の最後までモンスターであることを期待したいね。

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