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アルゼンチンの英雄『ナルバエス』が『井上尚弥』を知らなかった理由

管理人

アルゼンチンの英雄『ナルバエス』が『井上尚弥』を知らなかった理由

マッチメイクはパズルのようだ。

 オマールのプロモーター、オズワルド・リベロはWBA世界フライ級王者フアン・カルロス・レベコも抱えていた。当初、井上陣営から対戦の打診があったのは、井上の一階級上の王者レベコだった。交渉は順調だったものの、試合間隔が合わず、日程面で難航していた。

 ある日、オマールはプロモーターから告げられた。

 「レベコが日本の井上尚弥という選手と闘うプランがあったけど、レベコの日程やけがのことがあって調整がつかないかもしれない。だから、『うちの陣営にはオマール・ナルバエスもいるよ』と井上サイドには伝えたから」

 ナオヤ・イノウエ……。

 初めて聞く名前だった。それもそのはずだ。スーパーフライ級王者にとって、二階級下のライトフライ級王者は対戦候補に挙がらない。ましてや、井上はまだプロ七戦しかしていなかった。二階級上げて即、世界タイトルに挑戦すること自体、異例中の異例のことだった。

三十九歳のチャンピオンと二十一歳の挑戦者

「スピードがあるな。それと技術的な引き出しがある」

 井上についての情報はビデオで得た知識しかなかった。

 オマールはアマチュアで百戦以上、プロで四十六戦のキャリアがあり、世界戦に限っても二十八勝一敗一分け。負けたのは階級が上のドネアだけ。これまでファイター、アウトボクサー、カウンターパンチャー、長身の相手、さまざまなタイプと拳を交わし、勝利を収めてきた。井上のプロ七戦の経験とは比べものにならない。

 井上のスピード対策として、アルゼンチンの五輪代表チームとスパーリングを重ねた。いくら井上が速いといっても、鉄壁のガードを崩せるはずがない。たとえ判定になったとしても、明確にラウンドを取れるような戦術を描いた。二階級下から上がってくるボクサーが前戦のフェリペ・オルクタに比べ、パワーがあるはずがない。しかも、プロで初めてサウスポーと対戦するというではないか。

 「私にはもう一つ夢があったんだ。息子を海外の世界戦に連れていくこと。アルゼンチン国内での試合は見ていたけど、海外はなかったからね。日本に連れていこうと思ったんだ」

 イタリア、フランス、ブラジル、スペイン、米国で試合をしてきたが、息子のジュニアを連れていったことは一度もなかった。オマールだけでなく、同じ日の前座で弟のネストルも、井上の弟で日本フライ級四位の拓真とノンタイトル戦が組まれた。

 兄弟で海外のリングに上がり、その勇姿を息子に見せる。日本は夢を叶える舞台になりそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/09633a398f53584459bda689be788fc954c14eff

みんなの反応はこちら

1:ボクシングファン
尚弥vsレベコの話もあったんですね
尚弥にとってはナルバエス戦で一気に有名にあれたしよかったね

2:ボクシングファン
27度防衛の名王者に、わずかプロ8戦目で2階級下だった若手ボクサーが挑むなんて、とんでもなく無謀なことだ。

だが、チャンピオンはキャリア初のダウンを奪われ、ボコボコにされる…
これは決して漫画の話ではなく、日本で現実に起きた出来事だとは、驚きを禁じ得ない。

3:ボクシングファン
ナルバエス戦までは、井上選手に「スーパーホープ」という過小評価をしてきたのを憶えています。試合を全部見てもあんなパワーがあるとは知らなかったので、度肝抜かれました。そして帰り道で観客がみんな笑顔だったの憶えています。

4:ボクシングファン
あのときレベコって人とフライ級の試合が成立していたら、今頃井上選手は日本人初の5階級チャンピオンだったんだなぁ。

5:ボクシングファン
本読みました。今まであまり伝えられていなかったナルバエスの心境などが細かく書かれていて良かったです

今回の記事はこちらの著書の抜粋です↓

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