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プロボクサー田口良一、アマチュア時代の井上尚弥にボコられたことを語る「驚いた。悔しかった。恥ずかしい…」

管理人

プロボクサー田口良一、アマチュア時代の井上尚弥にボコられたことを語る「驚いた。悔しかった。恥ずかしい…」

 「うん!?」。一瞬の戸惑い。まるでダッシュをしてきたかのように距離を詰められた。ジャブから右ストレート、ボディーにもパンチが伸びてくる。相手の手が止まらない。その一発一発が経験したことのない重さだった。
浴びるままに崩れ落ち、田口は尻餅をつくようにリング上を転がった。

 ダウン。

 何事か。有望選手がアマチュア選手に倒された。ジム内はざわつき、視線が田口に集中する。

 「おい、大丈夫か?」

 コーナーにいた石原は歩み寄り、田口に声を掛けた。これまで試合はもちろん、スパーリングでもダウンを喫したことがなかった。初めての事態だ。

 ダウンを奪った井上は特に驚く様子もなく、自身のコーナーに戻り、相手がダメージから回復するのを待っている。

 田口は立ち上がると、少しリング上を歩き、両手でロープをつかんで背筋を伸ばした。距離を詰められ、戸惑っているうちに、三分間全力で殴られているような感覚に陥った。一瞬の隙もない。圧倒され、一ラウンドが終わった。

 第二ラウンド。

 試合以上と言ってもいい、激しい打ち合いになった。井上の左アッパー二連発で田口のガードはこじ開けられた。ワンツーから左フックをもらい、後ずさりする。その瞬間、すぐに距離を詰められ、連打を浴びた。もうガードで精いっぱいだ。

 「ストップ、ストップ!」

 石原が大きな声で叫んだ。

 スタンディングダウン。

 田口はコーナーに向かって歩き、ゆっくりと首を回した。

「やらせてください!」
 第三ラウンドも同じような展開だった。ヘッドギアをしているとはいえ、田口のダメージは蓄積しているように見えた。

 「田口、もうやめよう」

 石原が言った。

 「やります。やらせてください!」

 田口の言葉に、石原は首を振った。

 四ラウンドの予定が三ラウンドで打ち切られた。こんなにやられるとは想像さえしなかった。相手は六歳年下。プロデビュー前の選手に倒された。驚いた。悔しかった。しかも大勢のギャラリーが見ている。恥ずかしい……。

 ヘッドギアとグローブを外すと、田口は石原にぼそりと言った。

 「ちょっとトイレに行ってきます」

 この場から一刻も早く去りたかった。練習場のフロアを出て、階段の踊り場へ。誰もいない。一人になれた。すると、涙が溢れてきた。

 「俺はこんなにコテンパンにやられて、今後どうなってしまうんだろう。彼がプロに来たら、俺はもう上に行けないじゃないか。きっと無理だ。もう終わりだ。日本タイトルにも挑戦したばかりだし、もうチャンピオンになるのは無理だ……」

https://news.yahoo.co.jp/articles/25716f1f32965edbda0ec2f9430ca5fbce247f5d

みんなの反応はこちら

1:名無しのボクシングファン
それでも試合では最後まで対峙して判定まで行った田口くんはすごい選手。

2:名無しのボクシングファン
スパーリングの話は初耳でした。これがあったからこそ、井上選手との世界戦で判定まで持ち込むことができたのでしょうね。

3:名無しのボクシングファン
井上直弥選手の25戦25勝のうち判定までいったのは田口さん含め3人だけ。スパーでボコられてから一念発起して日本チャンピオンになり、ヤバ過ぎる相手なのは十分分かっているのにその防衛戦で井上選手を迎えうった根性者

4:名無しのボクシングファン
これだからボクサーは好きなんだよなぁ。
こっからチャンピオンになるんだもん。
凄いよ。

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